西柴団地自治会様

地域密着の情報、自治会から家庭に音声配信

神奈川県横浜市金沢区、およそ1800世帯が暮らす西柴団地。この緑豊かな住宅地で、小さな情報受信端末「キューブ」を使って、地域の各種情報、防災・防犯情報を各家庭に発信する実証実験が行われました。西柴団地自治会・会長の山田佳一さんと、ホームページ運営委員長の金田頼明さんに、運用した手応えや効果について聞きました。

西柴団地自治会の山田佳一会長(右)と、ホームページ運営委員長の金田頼明さん(左)
西柴団地自治会の山田佳一会長(右)と、ホームページ運営委員長の金田頼明さん(左)

高齢者にも確実に届く情報発信手段を探して

横浜市では令和元年から市内の小中学校や沿岸部を中心に防災スピーカーが設置されましたが、高台にある西柴団地はスピーカーのある場所から遠く、放送内容がほとんど聞こえないという課題を抱えていました。西柴団地自治会での情報配信には個人情報保護の観点からメール・LINE・電話による連絡網を使えず、回覧版や自治会会報である自治会だよりの紙媒体に頼っており、展開スピードに欠けておりました。プル型の情報配信の手段として独自にホームページを制作して地域の防災・防犯情報を発信してきたものの、住民の中にはパソコンやスマートフォンを持っていない・操作できない高齢者も少なくありませんでした。

災害や犯罪など速やかに伝えるべきことが発生したとき、団地のすべての住民に確実に届く情報発信の方法はないか?その手段を模索していたところ、以前から親交のあった三愛電子工業株式会社から紹介を受けたのが、ミライエの情報受信端末「キューブ」でした。各家庭にこの端末を置くだけで、送信側親機のパソコンから入力した情報を戸別に音声配信できるしくみです。

「各家庭・個人に対するお知らせを緊急で出したいときに使える、いい手段かもしれない。使ってみたいなと思いました」と、自治会長の山田佳一さん。自治会の新たな情報発信方法として活用することができないか、実証実験を始めることになりました。

網目の細かい防災・防犯情報の発信が可能に

実証実験は、令和6年1月22日から2週間実施されました。西柴団地の70〜90代の10人の自宅に「キューブ」を置いてもらい、自治会のパソコンから毎日地域の情報を発信。住民はキューブでその都度自治会が配信した情報を音声で聞くことができます。聞き逃しのための録音機能もあり、ボタンひとつで再生できます。

ボタン一つ押すだけで情報が流れる戸別情報受信端末「キューブ」
ボタン一つ押すだけで情報が流れる戸別情報受信端末「キューブ」

自治会では西柴団地に関連する防災・防犯情報のほか、天気予報や福祉情報、お祭りや梅の開花情報まで、多様な情報を毎日3回以上配信しました。神奈川県警から当該地域の防犯情報を提供してもらえるようにもなり、地域に密着した情報発信が可能となりました。

今回配信内容の作成をした金田さんは、短い期間での実証実験でありながらその効果を実感したといいます。「近くの福祉施設で開かれるイベントのお知らせを配信したとき、それを聞いてイベントに参加したという人が現れたんです。10人中1人が情報を聞いて行動を起こすのだとしたら、災害発生時に情報発信をする際にも、実際に住民が行動を起こしてくれるということ。これは大きなことです」

会長の山田さんは「キューブ」が緊急時の配信だけでなく、平時での住民の防災・防犯意識向上にも役立つと感じたそうです。「防災は、起きる前に準備することが一番大切です。災害発生時に自治体の援助をただ待つだけでなく、住民同士の『共助』ができるようにするためにも、日ごろから防災情報を発信することが有効だと思います。防犯面でも、近所で起きた空き巣や詐欺などの注意喚起を配信することができれば、住民が事前に心構えや対策をすることができます。新聞やローカルFMより、もっと細かい情報発信が可能になるメディアだと思います」

「キューブ」が拓く、地域の情報発信の新しい姿

「キューブ」を開発したミライエの小幡進社長は今回の実証実験を受け、「自治会の中で、日常に根ざした情報、そのとき必要な情報をお届けするのはとても大事なことだと改めて思いました。課題を乗り越え、実現の方法を模索していきたいと強く思います」と語ります。

親会社の三愛電子工業・寺井一郎社長はキューブのさらなる進化に向け、こう意気込みます。「私たちは目指すべき姿として『インフォメーションサービスプロバイダー』を掲げています。ただ情報配信のシステムを作ればいいというわけではなく、その情報が使われなければ意味がない、ということです。今回の実証実験では、情報配信で実際に行動を起こした住民がいました。この事実は会社の思いに合致する大きな成果だと思うので、今後ますますグループ全体で注力していきたいと考えています」

三愛電子工業の寺井一郎社長(左)とミライエの小幡進社長(右)
三愛電子工業の寺井一郎社長(左)とミライエの小幡進社長(右)

「高齢で一人暮らしの住民がお互いあいさつできるような機能を付けられないか」「AIで、配信する情報が誤っていないかを事前にチェックできないか」ーー。インタビューの現場では西柴団地自治会や三愛電子工業・ミライエのメンバーから、早くも新たな機能追加や活用方法のアイデアが次々と出ていました。各家庭に情報を直接発信できる「キューブ」の可能性への追求は、始まったばかりです。

西柴団地自治会、三愛電子工業株式会社、ミライエのメンバーで
西柴団地自治会、三愛電子工業株式会社、ミライエのメンバーで

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