神奈川県伊勢原市様

防災無線と多媒体発信を「一度の操作」で可能に

災害発生時の情報発信業務は複雑です。防災行政無線で肉声で情報を読み上げる上に、メールやLINEなどさまざまな媒体を使って発信しなければなりません。この難しさを解決しようと、神奈川県伊勢原市では「たった一回の操作」で、防災行政無線からメール、LINE、SNSなど複数の媒体に情報を送れるミライエのシステムを導入しました。危機管理課の石井崇史さんと村井蓮さんに、導入後、業務がどのように変わったのか聞きました。

複雑な災害時の情報発信、ミスなく迅速に行う方法を求めて

災害発生時、危機管理課では速やかに避難情報などを発信する必要があります。石井さんは、職員数が限られる中で複数の媒体へ正確に情報を配信する難しさを指摘します。

「防災無線放送を流すことに加え、メールやLINE、ホームページやFAXなど、様々なツールへの情報発信を、職員2人の手で行わなければなりませんでした。防災無線の放送には、執務室から離れた場所にある放送設備を使わなければならず、それだけでも時間がかかります。それとは別に各ツールへの配信予約や投稿を一つずつ行う必要があり、その複雑さからミスが出てしまうこともありました」

そんな中紹介を受けたのが、ミライエの防災情報一斉配信システム「Aアラート」でした。複数の媒体に一斉に災害情報を送ることができるため、「これがあれば、職員が一人でもすべての配信ができるようになる。ぜひ導入したいと強く思いました」。ミライエは伊勢原市の要望を反映して「Aアラート」をカスタマイズし、令和2年度から伊勢原市で導入されることになりました。

音声合成で、防災無線をパソコンから放送できるように

ミライエは防災行政無線を庁舎内の遠隔のパソコンから操作できるようにし、職員が入力したテキストから自動で音声を合成して、市内各地のスピーカーで流せるようにしました。

まず職員は庁舎内のパソコンやスマートフォンから、発信したい情報をテキストで入力します。するとAIがテキストを音声化し、その内容がインターネットで防災行政無線遠隔起動装置に送られます。装置が防災行政無線の操作卓を起動し、音声が市内113カ所にあるスピーカーから流れるというしくみです。

音声合成は事前に読み方やイントネーションを細かく調整することも可能で、自然な語り口調での放送ができます。入力したテキストは防災行政無線だけでなく、同時にメールやLINE、X(Twitter)、ホームページ、電話ガイダンス、FAXに一斉配信することができ、どの媒体に送信するかを選択することもできます。

システム導入後、伊勢原市では2人で行っていた作業を一人で完結できるようになり、作業時間の大幅な削減につながりました。石井さんは「導入前は防災行政無線で喋るだけで10〜20分ほど時間がかかっていましたが、今では早ければ1〜2分ですべての媒体への配信が完了します。作業量の体感としては、以前の20分の1くらいまで減っている印象です。初めて使ったときは感動しましたね」と、実感を込めます。

伊勢原市危機管理課の石井崇史さん(右)と村井蓮さん(左)
伊勢原市危機管理課の石井崇史さん(右)と村井蓮さん(左)

テキストの入力画面にはテンプレートや履歴表示の機能もあり、過去の似た投稿を少し変更するだけで文章が完成します。システム導入後に危機管理課の配属となった村井さんも、その操作性を評価します。

「使い勝手がよく簡単で、誰でも操作できる。新しく配属された職員が来たときでも誰でも使えるのでありがたかったです。災害時はどうしてもバタバタして業務が多くなる中で、その簡易さから、災害情報をほぼリアルタイムで発信できて助かっています」

「こんなことできない?」現場の声から生まれる開発と実装

伊勢原市では夜間・休日の防災行政無線の対応は消防本部が行っていますが、消防本部でも同じシステムを導入することで作業効率が上がり、現場から好評を得ているとのこと。今後は災害情報の多言語化や、一定レベル以上の災害発生時に自動で各職員に参集連絡をしてくれるシステムなども新たに取り入れ、より効率的な災害対応を実現していきたいと考えています。

そのうちの一つとして現在ミライエと進めているのが、災害発生時に市内の被害情報を可視化できるしくみづくりです。災害発生直後に職員が市内各地をパトロールして得た被害状況をLINEで報告し、地図上に写真付きで報告できるというもの。実現すれば職員間の情報共有が円滑になるだけでなく、本部で素早く被害の全体像を把握できるようにもなります。

「最初にミライエさんに依頼した際には、パッケージとしてできあがってるサービスが導入されるものと思っていました。ですが、こうしてどんどん我々の使いやすいように要望を聞き入れ、カスタマイズしてくれます。こちらから『こういうことができませんか?』と言うと、すぐに実装してくれるんですよ」と、石井さん。現場の声と最新技術を掛け合わせたシステム開発で、災害情報発信のDXはますます進んでいきそうです。

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