静岡県浜松市様

広域の多様な災害、ターゲティング配信で伝える

全国の市の中で2番目に広い面積を誇る、静岡県浜松市。山と海に面する広大で自然豊かな街は、それだけ多様な災害リスクを孕む環境であると言い換えることもできます。ミライエのシステムを導入し、広域で起きる様々な話題を「地域ごと」「話題ごと」に迅速に配信することを実現した浜松市の広聴広報課と危機管理課の皆さんにお話を聞きました。

左から、危機管理課の小澤さん、安藤さん、森永さん

「国土縮図型」の多様な災害を、迅速に伝える術を探して

人口およそ80万人、政令指定都市の一つである浜松市。都市でありながら森林面積も広く、多様な災害リスクに目を配る必要があると危機管理課の鈴木清光さんは説明します。

「浜松市の災害には、いわゆる『国土縮図型』と呼ばれる特徴があります。北は山間地で土砂災害が起きやすい。東には天竜川が流れ、河川氾濫のリスクがある。中心地には住宅の密集地があり、延焼火災の可能性も。南側は海に面し、津波災害も想定される。南海トラフ地震も近い場所で起きることが予想されているので、それらすべての災害に対応できるよう準備をしなければいけないのです」

広域の多様な災害を迅速に伝えるため、浜松市では防災行政無線に加えてメールやLINEでの情報発信も行っていました。しかしその発信には課題があったと、広聴広報課の清水健二さんは話します。「LINEは登録した全員に同じ情報が配信されるので、登録者が求めている情報と市が発信する情報が合わない場合、ブロックされてしまうリスクがありました。何とか話題を仕分けできるような仕組みがないかと考えていました」

そんな中、魅力的に映ったのがミライエが提案したLINEの「セグメント配信」でした。セグメント配信は利用者側が自分の地域や関心の話題を選んで受信できる機能で、発信者側としては地域別・話題別に情報をターゲティング配信することが可能になります。課題の解決になると考えた浜松市は、令和2年からミライエのシステムでLINEのセグメント配信を開始することにしました。

地域別・話題別の情報発信で、必要な情報を確実に届ける

浜松市の公式LINEは令和6年8月時点の友だち数が約43万人に上り、危機管理課と広聴広報課が年間約2500万通を送信しています。

利用者はLINEの友だち登録後、「市政情報」「イベント」「防災情報」の3つのカテゴリーから、自分の受信したい話題や地域を細かく設定することができます。「市政情報」「イベント」の情報発信を広聴広報課が、「防災情報」の発信を危機管理課が担当しています。

広聴広報課の小谷綾花さんは「例えば天竜区にお住まいで天竜区の情報が欲しいという方に、その情報がピンポイントで届けられる。全体配信ではなく情報が欲しい人に届くので、発信する側としても『この情報を出すのが適しているのか』と考える負担が減り、助かっています」と話します。

浜松市の公式LINE設定画面。利用者側が受信したい話題・地域を細かく設定することができる
浜松市の公式LINE設定画面。利用者側が受信したい話題・地域を細かく設定することができる

浜松市では令和6年までに、LINEで配信する情報を、同時にエリアメール・緊急速報メール、登録制メール、FAX、X(旧Twitter)、Facebook、アレクサに一斉送信できる機能も導入しました。

危機管理課の鈴木帆南さんは「災害時は情報の収集・発信などを少人数でも迅速に行う必要があるため、作業の効率化が非常に大切です。これまではそれぞれのツールに対して一人ずつ端末を用意して配信文を作成し、それぞれを上司が確認していたのでかなり人手がかかり、配信ツールごとに配信時間に差が出てきてしまうこともありました。それが一つの端末からの操作で一斉に送れるようになったのはありがたいです」と、実感を語ります。

選択肢を選ぶだけで、避難指示の文章を自動作成

危機管理課の鈴木清光さん(右)と鈴木帆南さん(左)
危機管理課の鈴木清光さん(右)と鈴木帆南さん(左)

河川が多い浜松市では、大雨が降ると複数の河川で一気に水位が上昇することがあり、複数地域の避難情報を並行して発信しなければならない難しさを抱えています。そこでミライエでは、発信者の負担を減らすシステムを開発しました。水位が上昇している川の名前や避難レベルなどの「選択肢」を選ぶだけで、配信する対象地域が自動で設定され、避難情報の文章も自動で作成。発信者はその内容を最終的にチェックするだけで済みます。

「ある場所の避難情報を発令している間に別の川に対する避難情報を発令しなければならない状況が起き、過去には職員総出で情報発信の対応をしたということもありました。それが一発で配信できるように変わったので、速報性という点で非常に有用だと感じます。私たちがどんなに頑張っても、情報が遅れたら市民の方々の命は守れない。対応できる職員が1人や2人の場合でも一つのツール操作で必要な情報を流せる状況になったのが、一番大きなメリットですね」(鈴木清光さん)

市民の情報ニーズに合わせて、柔軟にカスタマイズ

広聴広報課の原賢輔さんは、市民の情報ニーズの変化に合わせてシステムを柔軟にカスタマイズしていけることもミライエのシステムの魅力だと話します。

「新型コロナウイルスの流行が始まった際、市民から感染者数について知りたいというニーズが出てきました。ミライエさんに相談したところ、市の公式LINEに新たに新型コロナ関連のセグメントを作って下さり、それに特化した情報発信が可能になりました。その時々の市民のニーズに合わせてセグメントを追加したり削除したりと、柔軟にカスタマイズできるのが助かっています」

左から、広聴広報課の清水健二さん、小谷綾花さん、原賢輔さん
左から、広聴広報課の清水健二さん、小谷綾花さん、原賢輔さん

危機管理課の鈴木帆南さんは、今後のさらなる機能拡張にも期待を寄せています。「LINEやSNSだけでなく、防災行政無線にも一気に配信できるようなシステムができるといいなと思います。また、川の水位の上昇が危険な域に達したら自動で避難情報の文章を作成してくれるようなシステムができれば、より速やかに情報が発信できるようになると思います。システム化による業務の効率化ができることはまだまだありますね」

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