埼玉県上里町様

防災無線放送を「電話」でも届けて聞きやすく

防災行政無線のデジタル化に伴う広報塔の集約で、一部住民から「放送が聞こえづらくなった」との声が挙がるようになった埼玉県上里町。町が解決策として導入したのは、住民に自動で「電話」をかけ、防災無線放送を配信するシステムでした。

防災情報を電話のほか、メールやSNS、ホームページなどにも同時配信できるミライエの防災情報一括配信システム「Aアラート」を導入した背景とその活用法を、上里町の職員の皆様に伺いました。

「防災無線が聞こえにくい」を解決するために

令和5年度までくらし安全課で防災情報の発信を担当していた池田純さんと田尻光臣さん。当時、防災行政無線について抱えていた課題について、こう語ります。

池田:総務省の通達を受け、上里町では平成29年から防災行政無線をアナログからデジタルに更新するための工事を進めました。デジタル波はアナログ波よりも音達域が広いことや高性能のスピーカーに置き換えることから、調査と設計に基づき、地域の広報塔の数を集約しました。

すると一部の住民からはこれまですぐ近くにあった広報塔がなくなり、聞こえにくくなったとの意見を頂戴しました。町ではスピーカーの数を増やしたり角度を調節したりとさまざまな対策をしましたが、抜本的な改善に至らず、解決策を探していました。

田尻:特に考えていたのが、スマートフォンを持っていない高齢者が、屋内で確実に防災情報を受け取るための方法です。各家庭に「戸別受信機」を導入する案もありましたが、膨大な予算がかかる上、住民の皆様にも資金面や家の工事といった負担を強いることになります。調査研究を進め、全国の約15社のサービスを比較検討する中で、ミライエさんのサービスが課題解決にぴったりだと感じました。

防災無線放送を、電話・メール・SNS・HPへ一斉配信

上里町が導入したのは、住民の家に「電話」で防災無線放送をかけるシステム。防災無線放送を自動で録音し、その音声を希望者の電話番号に順次発信することができます。同時にその内容を、市の防災メールやLINE、SNS、FAX、ホームページなどへ一括して配信することが可能。防災無線放送だけでなく、職員が直接入力した防災情報やJアラートを一斉配信することもできます。

ミライエの防災情報一括配信システム「Aアラート」を、上里町向けにカスタマイズ
ミライエの防災情報一括配信システム「Aアラート」を、上里町向けにカスタマイズ

田尻:高齢者にとって身近で安心な電話に防災無線放送がかかってくれば、情報が確実に届くはずです。実際、令和4年3月に「防災無線が聞こえにくい」との意見をいただいていた住民を含めた約30人とシステムの実証実験をしたところ、実験後のアンケートでほぼ全員が音声の明瞭度・操作性・災害の有効性・導入希望の項目すべてに丸をつけていて、好評でした。

池田:電話だけでなく、防災メールやSNS、ホームページなどに情報を一斉に配信できるのも魅力的でした。上里町は令和元年の台風19号の際に避難情報を発信しましたが、職員が防災行政無線、防災メール、ホームページなど多様な発信や部署間の調整を一人で行わなければならず、大きな負担となっていました。一斉送信ができれば職員の負担を減らし、その分、内容を見直してミスを防いだり、別の災害対応にあたったりすることができます。

ミライエさんには「Jアラートとも連携できないか?」という要望に応えていただき、Jアラートの発動時にも防災行政無線、電話、公式LINEやSNS、FAX、ホームページに情報を一斉送信することができるようになりました。カスタマイズに柔軟に応えていただいた上、予算的にもイニシャルコスト・ランニングコストともにとても安価でありがたかったです。

高齢者を中心に、2カ月で約100人の住民が登録

システムが本格運用される令和6年度から、くらし安全課の所属となった関口博之課長、新井正人さん、黒須崇裕さんは、「Aアラート」が防災に果たす役割に大きな期待を寄せています。

新井:令和6年3月から、防災行政無線の架電サービスへの登録募集を始めました。2カ月間で約100件のお申し込みがあり、今後は福祉の窓口や地域の防災イベントとも連携してさらに登録者を増やしていきたいです。

黒須:とてもいいシステムが導入できたと思っているので、これから先はどう周知するかが大切だと思います。市の広報誌やハザードマップへの掲載、災害シーズン前の周知などを行い、一人でも多く使っていただけるようにしたいですね。

関口:屋外放送にはどうしても限界があります。これを補う方法として、これまで導入していた防災メールや電話応答サービスに加え、今回ミライエさんの架電サービスが始まり「三本柱」となったのは非常に大きなことです。これでスマホを使えない高齢者の方にも情報が届きやすくなります。コスト面でも小さな町にはありがたく、他の地方自治体の方からも複数、視察のご依頼をいただいています。今後はさらにこのサービスの利用を広めていきたいです。

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